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医療は知識に経験が加わってこそ

あらかじめもうしあげます
妄医閑話は「ノー・コンプライアンスの駄文です。大方が法螺話でございます」
崇高な目的も、一貫したこころざしもない
耄碌爺の脳裏につれづれわきあがる妄念を書きつける、くるおしきものでございます
厳しき倫理観をお持ちの方、真面目な方がた、なにとぞお目こぼしくださいまし

・・・・・今までの私の生涯には、晴れた日も曇った日もあった
・・・・・けれども、すべては自分のためになったのである
・・・・・・・・アンデルセン/デンマーク/童話作家


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産地直売
久々休日の晴れた昼前に車で下赤塚を出て、首都高から外環に乗り換え、浦和から東北道を北に向かいました。 第一回目の休憩で入った藤岡サービスエリアは大変な混雑。とても休む気になれず、次の都賀西方パーキングで佐野ラーメンにありついたのです。
それから、宇都宮から日光道に入って、大沢で降りました。例幣使街道で散りゆく桜の姿を惜しみながら30分ほど走ると 日帰り温泉があったので、そこで休憩をとることにいたしました。
露天に内湯にブクブクやらアッチッチの各種趣向の温泉の男湯に、数えて三人だけしか居ないという贅沢。 昼の日差しが独り占めの露天の湯面から湯底に斜めにさし、ワタシの脛をゆらゆら照らすのでした。 カラダの芯に染み入る温泉の温み。ゆっくりまったり。 昼下がりの木陰の休憩所で横になり、冷たいお茶を飲み、汗が引くまで至福の時間。
出口の産地直売所の野菜と園芸植物を見て回り、イチゴや五目ごはんなどめぼしいものを買いました。 棚に並べられた玉こんにゃくが懐かしく、これも買って帰りました。
夕食は自宅で産直野菜と鳥の鍋。イチゴをおいしくいただきました。 それから3日経った木曜日は休診日です。冷蔵庫の右上の棚に置きっぱなしになってる玉こんにゃくの袋を発見。 手に取るとだし醤油の中に30個の玉こんにゃくが浸かっている。
すこし時間が経っているので、鍋にあけて温めて食べちゃうことにしました。
だし醤油のいい香りが台所に立ち込めました。いい加減に、あったまったのを割り箸で突き刺した一個を口にしたら驚くほど旨い。
左手に鍋蓋をもったまま、コンロの前で次々に4個を立ち食い。
残りを丼に移し、お膳におきました。
新聞をみながら辛子を塗って食べたらなおさら美味い。
夕飯を食べつつまた食べ、ふたりでいつの間にかぜんぶ食べ切っていました。
だから、一人で何個食べたかよくわからんが、30個のうち18個くらいは腹に入ったはずです。
だし汁がいいから大根でも煮込んだら良いかね、なんて言うと家人が煮卵を作りますとのことだった。
ま、二人で30個の玉こんにゃくを夕方のいっときに、すっかり食べ尽くしたわけです。
玉こんにゃくは当然こんにゃくだけでできておる。
こんにゃくは低カロリー食品の代表です。胃の砂を採ってくれます。
とりわけ便通がつくことでよく知られていますね。だからだ・・・一気に18個も食べたわけだからね。
明日はスッキリ、宿便サヨナラ、ありがたいネ、などと軽く考えていたのです。
ワタシのようなモノは次の朝まで玉こんにゃくを一気食いしたことなんか覚えていられず、すっかり忘れてしまうのです。
 翌朝、いつになく腹がはるなと感じたワタシではありましたが、なんでだろなーぐらいにしか思わなかったのであります。
びろうな話ですが、階段を降りる際、廊下を曲がる刹那、新聞受けを開けるときに閉める時、事務長の顔を見たとき、 さらには廊下を歩きながらだいたい15歩毎に放屁するようなカラダになっていたのです。
そのうちに、べつに体を動かしもしないのに、屁が出てしまうのです。このときばかりは、 ワタシの意思ではどうにもとめられないのです。
 変だな、なんだ?もたれとんのかなあ。朝の牛乳のせいかなあ、くらいにしか考えていなかった。
一旦、仕事が始まれば、そう屁ばかりこいてはいられない立場のワタシです。 時間が経つほどに、机に向かうワタシの下っぱらの張りは、強くはなっても弱まることがない状態に陥っていたのです。
ちょっとした張りならば、すかし屁でごまかせはするものの、腹があまりにもくちく、苦しく、痛みで低くうめくワタシでした。
たまらず、ちょっとすんませんなどと看護婦さんに断りつつ、何食わぬ顔でトイレに入り、さっと準備。
が、便座に腰掛け、りきんでみても、放屁1発の空打ちのあとが続かない。以後の音沙汰なし。
どれほど腹が痛もうが、誰にもわからんように、当然看護婦さんやら事務長の前では何事もないかのように健気に振る舞う!
張り痛む下腹を我慢しいしい、とにかく午前の仕事が終わってみれば、腹が楽になっていたのです。
喉元すぎればなんとやら。腹の不調なんかすっかり忘れたワタシなのでした。
昼の弁当なんかぜんぶ食べつくし、コーヒーをガブガブ飲み、7チャンネルの「あなたのお昼ご飯みせて」をよだれをたらしながら観ていた。 その時、あっと気づきました。
ああ、そうだ玉こんにゃくのせいだ。こんなに腹が張るのは、と。
でもそうだったらだよ、はじめから玉こんにゃく18個が連発でトビでてくるはずデス、と思ったのだ。
どんな具合にでてくるかと言えば、ワタシが思うに・・・
およそ、高橋秀樹演じる桃太郎侍が錦の装束・般若の仮面で悪家老宅にのり込んでくるくる回る際に連打される鼓の如しであろうか。
すなわち、スッポン・スポポポ、スッポン・スポンのススッポンとでて来ないとおかしいじゃないか。
それなのに、凄まじい便意に促されながらも、いざ便器に座せばウンもすんとも。空砲ばかり、主役が出で来ぬ状態。
いたずらに発する屁の空打ちが、便器の水面を波動させるのみ。仕方なし、便所でただ肛門を洗うのみにて引き下がってくるものの、 すぐまたトイレにお呼ばれされるような体たらく。
そうか、それなら、もう出るもんも出ないっていうのなら、それでいいじゃないか。ままよ、空屁こきすぎて、死んだモノとてあるまいし。 なーらば、ひとつ大胆剛毅に放っておいてみてやろうじゃねーか、玉こんにゃくの糞詰まり!
オレは人に相談できないことのため、ひとり團十郎みてえに決意したのだった(成田屋さんホントーにごめんなさい!)。
ままよ、腰を据えての狼藉。水やらお茶やらコーヒーなんてえモノも飲めるだけ、がーぶがぶ飲んでもやろうゼ。 一つ、あーちらの出方をうかがってェ、ア、やろうじゃねえかァ!なんてあほな考えにいたったのであった。
そうなってみると。向こうのほうも(別に意思を持ったイキモノや個人でもないのだけどネ)オレの出方を伺ってたのか、 ほんの8分後に降参したのか、激しい陣痛とともに便所に駆け込んだら・・・・。
便は便利のべん。きれいに読んだらおたよりなんです。


「花に嵐の喩えもあるぞ さよならだけが人生だ」は井伏鱒二さんの名訳。
もとが于武陵の五言絶句『勧酒』。

勧君金屈卮
満酌不須辞
花発多風雨
人生足別離

  不肖、ワタクシ訳
「きみにとっておきの酒杯にいっぱいついでさしあげる」
「これだけのお酒ですからぜんぶお飲みいただくには相当の時間がかかりましょう。それだけ長くここに居てほしいのです」
この詩の4と5行目、いくつかの名訳がありますが・・・
「花が咲いたはなが咲いたとよろこんでいるそばから皮肉な雨風が吹くからみな散ってしまったではないか
そんなことばかりだったよ わたしの人生は
分かれがたい人からどんどんはなれて行ってしまう
いつもわたしひとりのこして」
原作が20字で済ませたのをこんなに沢山冗長の言葉を費やさないと駄目だ。井伏鱒二さん、やっぱりすごい。


ドーナッツが世界を救う?
エンゼルクリームとカスタードクリームは見かけで区別しにくい。
このお菓子は多分、製造最終段階にドーナツの生地の中にクリームを注入するのだろうから、 クリームの注入孔の凹みに注目したらいいのではないか。 つまり、凹みの奥が輝く鮮烈な白色のときはホイップクリームだろうから、エンゼルクリームと思って間違いないだろう。 一方、黄色いドロッとした、さながらワタシのご幼少のみぎりに右と左の鼻孔よりわけ知らず、年余に及びまいにち休む間もなく、 溶岩の如くゆくりと上唇まで下がり降りくる黄色の粘り強きハナ汁に似て 、しかしこの場合は舐めると塩辛いが・・・・トッ、とにかく、 そういう風な黄色っぽいドロッが見えた場合は大抵カスタードクリームなのに違いないです。
ワタシはエンゼルクリームとカスタードクリームをかわりばんこに食べたい。 まず2つを軽く味わって、コーヒーを少し口に含んで、飲む。それから左右を見比べた上で、次は残りが多いカスタードを 味わう。コーヒーをはさんでエンゼルクリーム。次に水を含んでコーヒー。その際に 次はどっちから噛みつくか、あるいはチョコファッションをひと噛みするか・・・なんて迷うのが良いのだ!
単純に二種類のクリームがほしいだけなら、その目的ではコージーのジャンボシュークリームが良い。 が、噛み付いた際に、二種類のクリームがどっちも半々の割合で口の中に展開されてしまうコトがあるのだ。 その場合、味が絡み合い、それぞれの風味が消されてしまうから良くないとワタシは思っとるのだ。
したがってエンゼルクリームとカスタードクリームドーナッツを買ってくる。問題は袋を開けたときに どっちがどっちだかわからない。それで冒頭の見た目の鑑別に及んだわけです。

さて、このドーナッツ(穴がないのにドーナッツと呼ぶのか? しかし、ドーナッツ屋の商品だからドーナッツって呼んでも良いでしょう?なに、ちがうって?わかった。 たかがドーナッツ屋の食い物の・・・なんだ?「たかが」が、と言ったよ。言ったけどなんだって言うの。 別に馬鹿にしてませんよ。流れで、でてしまったの、「たかが」と。そう、つっかからないでよ、ドーナッツくらいのことで。 えっ?ドーナッツのことだからなおさらなおざりにできない?あーあそうなの。わかりました、ワタシが悪かったですぅ、ごめんなさい) を2つ食べただけでは気が済みません。チョコファッションのガリという歯ごたえが欲しい。
ちょうど金さんが片肌出してべらんめえ言っているときの、出た肩あたりにチョコレートが載っているわけ。
全体ではなくて、片肌分にチョコが塗って乾いているのがグッドなわけですよ。 そういう点、エンゼルフレンチがチョコのかかり方が似てます。が、ちがう。歯ごたえが違う。
だからオールドファッションに軍配が上がるのです。一体にフレンチ系のドーナッツは柔らかい皮のしたにクリームがはいっとる。 そういう軟弱なのがワタシは気に食わない。とは言え、作るのをやめよとはいいません。
柔らかい生地で柔らかいクリームを包んでいるそういうの好きな人が居ても良い。
個人的にやや硬めの皮をガリと噛んで割った先にじわっととろけるクリームが湧き出てくるのが好きなわけでね。
なんかね、争いが多い国の一番偉い人にはまず、うんと食べてもらいたい。
ミサイル発射命令をする前に是非将軍たちと 山盛りのドーナッツが置いてあるテーブルを囲んで食べながら攻撃するかどうかを考え直してほしい。
スイーツってそういう人にそういうときに食べてほしいね。

またまた下赤塚事変4 
 アッ、また北町三丁目西バス停になんか置いてったやつがいますよって事務長が騒いでいたから、外に出てみた。
 バス停のこっちがわにシルバーメタリックに光る、上側がだるい円錐形した目線ぐらいの高さの丸太が立っているではないか。  瞬間的にワタシは、冷凍めばちマグロだ!と思って心が踊った。
 この冷凍めばちマグロは、とくかく静立したまま固まっていた。 このモノの持ち主あるいは飼い主らしきものが居るかと思って、その場からあたりを見回しても誰もいなかった。 この場違いな、奇妙で面倒くさい置き去り状態の冷凍めばちマグロに胸騒ぎを覚える一方で、ワタシはわさびと醤油の心配もしていた。 大きな包丁も要るなあ、大皿うちにあったかなあ、など思案もしていた。
 こういう時はだな、心を落ち着けよーく観察するんだ!ってそう思った。
で、そうしたら・・・えっ? 細くて長い脚が付いているじゃないの!
ってことはこのモノ、脚で立っている・・・のか。 だとすると冷凍めばちマグロの人魚なのか?マグロの人魚って食っていいのか? 人魚であったとして、マグロの部分なら食ってもいいよな。 包丁入れたら暴れださないかな。 その時は事務長にバットで頭叩いてシメてもらえばいい。おーいジムチョー、バット持って来い。 などと、どんどん自分勝手な思考を止められなくなっていた。
どこかのウルサイ団体に注意される前に食ってしまおう、なんか文句つけられる前に。 後は分からなかった知らなかった、言われたときはもう食ってしまったあとですって 言い訳しよう。なんて、どんどんいい加減な逃げ口上ばっかり思いついた。
今、食いっぱぐれたらもう二度と・・・なんて本能的に感じていたし。
マグロの人魚発見!と、テレビ局に連絡することも頭に浮かんだ。東大の水産学部にも連絡しておくべきかな、とか。 ネクタイしてスーツ着て、ワタシが第一発見者(事務長は・・・なんとか説得して)だ、でテレビに出れるんじゃないかな?うふふ、なんて。 でも、ユーチューブで拡散したほうが儲けられるかな?なんて、 いやらしいことを想像してしまったではないか。
が、それはほんの一瞬のことです。
とにかく、結果的に冷凍めばちマグロじゃなく、セメント、ゴムやプラスチック製でもなさそうだ。 誰かの変装でもないよな。ヒトだったら何らかの動きがあるはず。
そういう生き物か?そんなの居たか。南米のチュパカブラ?じぇねーよなあ。 マサカ。そんなことないだろー。だってここ下赤塚だし・・・。
とにかく、 冷凍めばちマグロではない。大変に残念な気持ちになった。
この段階で言ってみれば、この様な不思議な生モノを、スティーブン・キング風にいえば"It"と呼ばわるべきだ。
ならば"It"は“キヲツケ”をしたままウチの前のバス停のこっち側にずっと立っている。後ろからみただけだが、"あるお方"を思い起こさせた。 "It"は、その形が"あるお方"つまり、ウルトラマンのようだった。しかし、絶対にウルトラマンであるはずがない。これは"It"である。 だってここに来てみればすぐに分かる。背が低いのだ。ちっこすぎたのだ。
じゃあ、"It"は生モノでなく、作り物で粗大ごみなのか?  フィギュア?にしてはすごく精巧で、こんなに手が込んで貴重かつ高価そうなのを、おれんちの前に置きっぱなしにする人はまずいないはず。
だから、それ以外にここに放り出される"It"はだ。たとえばイベントの着ぐるみだとしよう。着ぐるみに入る予定のやつがたまたまゆとりだったために、上司の命令に違和感かなんかを感じ、着ぐるみを脱ぎ捨てたまま帰宅してましたということも考えられた。
しかしその場合、着ぐるみってモノは中身がないとグチャッとして立っていないでしょうに。第一背中にチャックがないしね。
そうではないとしたならば、だ。マサカとは思うが、形がウルトラマン的な本物の宇宙人。たまたまここらへんでエネルギーが切れ、 動けないでいる・・・ということが考えられますゾ。ワタシの頭、変?
だとしてだな、何のエネルギーを吸い込むのですか?太陽光ですかい?電気ですか? そのうち「スイマセン電気かしてくれますか?」とかなんとか言ってくるのか。デガワさんみたいに。
コンセントとコードが見えないから電気じゃなさそう。じゃ、コンセント貸してくれって言わないな。助かります。
太陽光だったらそこに突っ立ってなさい。そのうち満充電完了!それが良いな。
まさかトヨタの水素やホンダの燃料電池だったら。長いホースで肛門から注入してくださいなんて頼まれたりして。 それも20リットル缶からパコパコで、ソイツの・・・オレ、大笑いしすぎて前かがみのまま痙攣しながら死んじゃうよ。
仮になんだか知らないけど他のエネルギーであったとします。ウチで手に入る何らかのエネルギーで良いんですか?って場合。
ワタシの血なんかだったら嫌だあ。ましてや・・・タマシイみたいなスピリチュアルなもん抜かれたら、おおいに困るかなあ。
ちょっと心配になってきた。
実際にそういう"It"が動きだす時はリセットボタンを押すんだよなあ。誰が押すんだって? どっかに押せとかのメッセージが出るのだろうか。どうしよう、メッセージ読んじゃったら?押さないでいたら恨まれるかな。 いっそのこと、物置に放り込んでおけばいいかな、光当てないで、ホースは隠して。だったらずっと動けまい・・・。
 "It"を遠巻きに無駄な時間がどんどん過ぎた。
関心は、"It"が何を考えて北町三丁目西バス停なんかで不動で立ち続けているかだった。 単なるだれかさんのいたずらだったら手が混みすぎてるんじゃないか。こんな大変ないたずらができるほどの大物の恨みを買った覚えがないですよ、ウチは。
 一回棒で突っついてみてみたいがもし、本当の宇宙的な方であったらばだ。そんなことしたらイカンに決まっておるな。 何されるかわからん。
あるいは・・・最近三回立て続けにあったことだが・・・もしかして本物さん?でもちがうなあ。
まさかあのようなお方がこんなコンパクトな形で(何でわざわざ縮んで来なければならないかわからんが、人の子供程度の大きさがなんか都合が良かったのかね)、シュワッチって来るわけないよな。呼んでもいないのに、わざわざ下赤塚まで。
宇宙地図なんてものがあったとしてだよ。
宇宙船の中で「息子よ。ほらここが、下赤塚だよ」「あ、ほんとだおとーさん、これが下赤塚なんだネ!」 なんて会話を宇宙でしてるわけないだろ!してたとして、なんの意味がある? 大学も地下資源も観光資源とかスキー場とか温泉なんかも全くないような下赤塚にね!いかん、かんひねくれた 気持ちから興奮してしまった。
そうそう、地球人で、日本人で、杉並の人であったって、下赤塚なんて知らんていう人の方が多いに違いない。まず居ないでしょうに。
いつかねーちゃんが言ってた。世田谷あたりで下赤塚知ってる?なんて言ったら恥ずかしいからネって。
雑多な思念がオレの脳裏をくるくるした。
ワタシが苦悩する一方で、事務長が小賢しくもおれの後方3メートルに離れ、掃除のモップ持って、ヘルメットまでしてやがる。 以前、スーパーマンが来たときにどこから持ってきたんだか、兜かぶってたな。 そういえば事務長、あの兜は浅間神社のお神輿の物置にあったの持ってきたんだとか・・・。
 ソイツ、何らかのエネルギーが一杯になったのかな。急にこっちの方にクルッと振り向きやがった。リセットボタンのこと?違うの、そうですかい。
エッ、今度目に入ってきたけど、こっち側ってあんたの前側なんですか?そうですか。トサカ・・・みたいな縦の板が鼻なの?  それでその両側のちょうど、目があるよなあって辺りにダチョウの卵を縦半分に切ったもののような、大きと形で、丸く盛り上がる黄色がかった白いレンズがついてるんだ。なんだが寄り目気味に丸くて黒い瞳が見えるぞ。 トサカっていうの?そういうのがちょうどオレの顔で言えば鼻だよな。その鼻が頭の三分の一下で終わってる所で口みたいだが、口でもないような横溝があるのね。 仮にだ、この溝が口ですって言われてもだな、ドジャーススタジアムで「おーたにー!」なんて叫べるようには見えんぞ?どんな時にでも大声を出せるように開かんような口だ。大体、歯医者に行けないだろ。なんか喋れるか、できんだろ?  なんて、オレの態度がだんだんぞんざいになれたのは、何と言ってもソイツおれより背が低かったからなんだネ。
 そういうわけでコイツ、なんだろウルトラマンのチビっていうか、偽もんだろなって確信した。
 だから、オレ聞いたね。「あんた誰?なにしてんの」
“ウォッ、フォッフォ”
 「え?なんて言ってるかわかんねーんだよ、お名前は?なんてーの」
オレの結構態度でっかくなってたね。
だって、顔を近づければワタシに対して小学校4年ぐらいの身長関係だったからだ。
おまけに腕が結構細いの。
“フオっフォ、フオっフォ”
 「おめえ。一体何人なの?日本語分かる」
“・・・・”
なんか何も言わなくなったな。
ほんとーにどうしたらいいのかなあ。 とりあえず此処から出てってもらおうと思った。襟首を掴みたかったが、こいつなんだろ襟なしの薄いシャツ着てるようなんだな。それで、オレはこいつを小突いてしまった。
 「あっち行って!ここに居ない。わかる?バイバイ、さようなら〜」って。
そうしたらこいつ急にこっちを見て、腰をひいていきなり細―い腕をクロスさせた。
そうしたら、なんか右手の外側からぱしぱしと、なんかライターの火打ち石の火花みたいなのがでてきたんだが、それがオレまで届かないの。下に垂れてやんの。
 「バカ。おめえあぶねーやつだな、火花撒き散らすんじゃねーよ」って
オレ完全に舐めた態度で、ソイツの頭を右腕でヘッドロック。さらにオレの右膝を沈めて、体重掛けて首をひねってやった。
 ソイツ少し暴れたかな。でも力ないからオレ様が強くなったような気がした。
 しかし、傍から見たら年甲斐もなく小学生をイジメている良くないオッサンにみえるかなとかなんとか感じて、思わず力を緩めた。
なんかコイツ、どっかからピコン・ピコン・ピコンって警報音みたいな音出しはじめたな。 なんだか、勝利のゴングのように聴こえた。
気分よくなって、おいジムチョーって呼んだ。
「オイ、事務長、コイツ弱いんだぜ。お前、固め技決めてみたいだろ。オレ、見てっからヘッドロックしてみな。それっ」って、 オレをおれの暗黒面が完全支配しての狼藉。 振り返ってみると、事務長が、オレの頭のずっと上の方を指さして口をパクパクさせてんの。
 なんだろうって、指差す方をみたら 旧きらぼし銀行のビルより背が高い、 より本物のウルトラマンに違いないみたいな巨大なシルバーメタリックに輝くでっかい奴が、手のコブシを腰に当ててオレを睨みさげているではないか。
まるで、大映の大魔神に睨まれ追っかけられている悪家老みたいじゃないか。
それで、おれ。そっちのでっかい方に向かって叫んだ。ヘッドロックしたまま。
「あっ、どうも。すいません。オレじゃないんですぅ。この人いじめてるの。そういうふうに見えてますけど。違いますぅ。それというのも、うちの事務長がね・・・」



下赤塚事変 その1
 ビルのオフィスによくあるタイプの窓のブラインドってありますよね。うす緑のプラスチックの平たい板。
あるいはセミやカブトムシの胴体腹部の構造。横に薄い板が並んでるの。 あれは昨年12月3日の日曜日だった。新川越街道の北側の歩道で下赤塚駅方向にいました。 途中街道の向こう側にあるラーメン屋さんを見ていたので、何かの拍子でけっつまづいて倒れそうになった。
そこへ、黄色い手袋、それも台所のゴム手より長いのをつけた手が差し伸ばされ、危うく転倒を免れたのであった。 「大丈夫ですか」といわれたので、ええ大丈夫ですなんて答えた。ワタシはその場に正しく立ってそのひとを真正面から見た。
するとその人は、ヘルメットをしていた。それでだね。被ってるヘルメットに手のひら大の赤い紡錘形のレンズが2つ左右に斜めについてんの!
レンズの間にまさかアンテナみたいなものも。でもなんで?歩道でフルフェイスのヘルメットかぶってなさるの。 工事現場でつけてるようなのではなくて、顔が見えないの。顔が小さなブラインドで隠れてる。 ああ、それでこんな事言うとまたかよ〜、お前おかしいんじゃねーのって言われるかもしれないけど、赤いマフラーして、マントしてんの。 黒いタイツはいて。ベルトの大きなバックルのなかでくるくるプロペラがまわっているようだった。
全体的にそうだね、こんなこと声出して言えないけど殿様バッタみたいなんだ。そういう格好した人、居ないよな。 ここ下赤塚だけじゃなくて、どこにも居ないよなあ。いるとすればこの辺だと大泉学園の映画の撮影所かな。
そうか!なんかの撮影でここにいるんだ。でも、このお方一人だけしか居ないようだ。と、するとつまり、アニメのオタク? それともお騒がせなお方?全体的に顔がさ、バッタみたいなの。 でもあなた、バッタみたいですね〜、なんて言える?言えないでしょ?逆上してナニカされたくなんか、全くないし。 おれ、見ない顔知らない顔してそのお方の脇を通り過ぎました。
関係ない、関係ない。

連続下赤塚事変 その2
そこへ、旧川越街道の成増方面からサッサ、サッサとすごく足の速いのが来たじゃないか。
この人も変わってたんだ。おれ、アタマがおかしくなったのかなあ。胸に大きく8の字が書いてあった。 ピッタリとした何だろう、帽子なのかフード?それより潜水服みたいなの全身。
眉から下の顔は・・・普通のいい男なんだ。 でもいい男で頭がおかしいのって、怖いよ。  立ち止まらないでよ!おれんとこの前で。あっち行って、ね。カランだりしないで、ね。
エッ、どうしたのそこで立って、アタマだけこっち向けて、無表情で見てるのだけど、なんか全力疾走の格好したままなんだし。 見たところ武器は持ってないね。だけどさ、もしかしてどっかから変な光線なんか出たらやばいからな、 もうこうなったら通り過ぎるのを待つだけだな。モーな〜んにも見てないから。
 あんたアタマおかしいの?そうじゃないの?だったらなんなの?エッ、正義のために・・・だって。やだなあ、 この前もそういう人来たの。あのときは警察の方が居たから・・・。なんですって?あなた警察の方?でもどーしてそんな。  事件?無いですよ、ここ下赤塚、大したことない街です。 そんなあなたみたいな立派な、ってか、そういう装束で来られるようなところじゃあないですから、ね、アハハ。



  またまた下赤塚事変 その3
嫌だなあ、電話ボックスがなんでこんなところにあるんだ。誰?うちの前に置いた奴?邪魔なんだけど。 北町三丁目西のバス停だぜ、ここ。大体、いつ持ってきたの?携帯がある今、電話ボックスなんて要らんに決まってるよ。
なんだ、なんだ?中にデカくてゴツいおっさんが居るヨ。あんた誰?何でまたこんなことしてんの?アラっ見たら背が高いね、 ガイジンだね。金髪で前髪がきれいにカールしているじゃないか。 そんなことより、なんかあんた、怒ってないから、文句もいいませんけど。できればコレ、どっかへ持ってってくんない? おれ関係ないから。誰にもいいませんから、ネ。いい、おれ見てしまったんだヨ。あんたソコに入っていたの。
それでさ、カラダがはみ出てるの。どうしてずっとこっち向いてだまっているのあんた、日本語分かる? こういうことしてはいけません。持ってって! えっ?いつも持ち歩いてますって、この電話ボックス?何言ってんの、おっさん。 わっ!でも、なんか悪くとらないで、怒らないでね。みれば異常にでっかい体育会系のカラダだからね。 別に文句言ってませんから。暴れないでね。止められなくならないで!ただ、どかしてくだされば良いのネ。 ワタシ何事もなかったことにしますからネ。ワタシなーんにも見なかったってことで。 そういう風にしましょ。とかなんとか、おれが言ってるのにオマエ!
何も聞いてないじゃないか。このオッサン、〇〇か?エッオイ。
これだけ言ってんのにオマエ!無表情で、ガラス越しで、こっち見ているんだ。出てこいよ、外で話しようじゃないか。 でも出てきたら怖いぜ。だからそのままでいいけどヨ。 で、なんだ、出てこないって?じゃあ、どーすんだよ、ってオレなりに文句言った。
そこで、このおっさん、いきなり黒縁のメガネをはずした。 それから、えー!なんで?なんでいきなりスーツを脱ぐんだヨ?オイ!黙って見てりゃあ、オッサン!ズボンも脱ぐのか?
なんだ?親父が冬に着るラクダ上下を薄青くしたようなのどっから引っ張り出してきたの?胸にでっかくSの文字。 ママがつけてくれたの?なんと!自分でですかい?
そ、それでやっぱりマントしてんだ。このテの人って。前の月光仮面もそうだった。ライダーもね。ああ、エイトマンは違ったか。 なんて言ってるオレって何をどうしたいの?わからんようになってきたけど。
オッサン、あおいラクダの上下で赤いマントして、それで長靴履いて。おれの方を見るなよ、関係ないからね。 おっさん、どうすんですかい?と思ったら、オッサンがドスドスとボックスから出てきて、唐突に「もう大丈夫、安心してください」って?なにが。 おっさんが地面蹴って、えー!空に向かってジャンプしたぞ。もう、おれ知らねえ。
どうなってんだ?下赤塚―。・・・


西新井大師の山門の前、参道の左右向かい合わせに二軒の草だんご屋があります。 右手が中田屋さんで、ひだりが清水屋さんです。参拝の道筋を左側よりにあゆめば清水屋さんの売り子さんが楊枝に刺した あんこ付きの草だんごを決断力にあふれた手付きで差し出してきます。そのご厚意をそのままうけとるのが、しきたりかなと。 知るかしらずかここでのしきたり作法に抵抗するのもいけない、と従うのです。 ちょっと立ち止まり団子を味わっているうちに、今度は団子の中にあんこを封入した新しいタイプの草だんごも強力におすすめされます。  流れで拒まずいただくのですが、なんとお茶まで薦めてくださりますので、これも拒めず、ご馳走になるのでございます。 しかし、団子というものはピーナッツやチップスのように後をひいていつの間にか一袋全部食べてしまえるようなモノではありません。だから、
団子とお茶のご厚情にお答えするためにも、草だんごの20個入りの小箱ひとつくらいは買わないと気まずくとは思うのですが、それはそれ。
頭を右方向に回して山門に向かって文字通り「何食わぬ顔」して歩き去りましょう。右肩に中田屋さんの鋭い視線を感じるけれども そのまま山門をくぐってしまいましょう。
本堂へ向かう道筋の左にイボ取りの塩地蔵。右手の手水場で手と口を清めます。そこにお立ちの地蔵菩薩さんのアタマをたわしで ゴシゴシこすって柄杓で水を流してさしあげるのですが、そういうことされているお地蔵さんご自身が、どのようにお考えになっておられるのだろうような ことはワタシにはわからんです。
が、なんとなく前からそうしてきたんだし、ね。ちょと面白くもあり、横で見ているどっかのお子さんもやりたいなーって顔してみるし。 やめられません。
またすこし行きますと、線香の煙が立ちのぼるところからこちらをじっとみる他人の視線。
たいてい写真を撮ってくれとお願いしてくるんだね。
なんでだかオレだけが選ばれるように頼まれるような気がしますね。 そこで。はい一枚・二枚、もう一枚撮りますよって、オレ、人がいいから立って一枚、しゃがんで一枚に中腰で一枚撮って やるんだね。 しかし、個人的に色んな場所で写真撮影を頼まれることが多い。西新井大師に限らず近所の氷川神社に清瀬の水天宮から京都奈良 の社寺仏閣でも、ときには通りすがりの結婚式なんかでも頼まれた。なんでかね?
なんかオレの額に写真撮ります・撮りたいですってかいてあるのか? オレってそのテの顔してんの?うちの親はそんなこと言ってなかったな。でもそうなのかな?ま、いいや。
それで参拝後に山門を出れば左の中田屋さんがこっちみる(睨まれているように感じるけど)のでまた団子1個もらって 草だんごを一箱買って帰るんだな。これってどういう因縁なのだろう?
それからね、大師線から西新井駅経由で帰る下り線プラットフォームに西新井ラーメンがあります。 先日は一杯500円でした。昔なつかしいわゆる支那そばで、お味はまずくない、です。行かれたらまあ一回は食べてあったまってみてはどうでしょう。



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